大好きだった夫への切ない別れの手紙。高齢認知症の母の介護、接し方を変えたことで穏やかな関係に。どんな状態になってもそばで見守りたい。『ピンキーとキラーズ』今陽子(こん ようこ)まとめ。
ピンキーとキラーズ《今陽子》一目惚れからスピード婚
2023年、『ピンキーとキラーズ』を結成し、デビューしてから55年になる今陽子さん。
『ピンキーとキラーズ』と言えば今陽子さん16歳、1968年(昭和43年)に結成し、デビューシングル「恋の季節」が発売直後から大ヒットとなり、オリコンチャート17週連続1位という歴代最高記録を打ち立て、270万枚を売り上げたもはや伝説と言ってもいいグループです。
「恋の季節」は50年以上たった今でも頻繁に使用され、鈴木聖美さんや『BEGIN』など多くのアーティストにカバーされるなど、まさしく昭和の名曲の一つだと思います。
誰が歌っていたのかは知らないけど、この曲は聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
そんな伝説のグループのボーカル、今陽子さんが結婚したのは1974年でした。
今陽子さんは22歳。お相手は当時ファッションモデルだった松川達也さんでした。
今陽子さんと松川達也さんの出会いは1974年2月、きっかけは松川さんのファッションショーのゲストに招かれた今さんの一目惚れだったそう。
そしてなんとその後3か月後の5月には婚約し10月には披露宴のスピード婚をされたのです!情熱的!
ちなみに実はこの時、徳光和夫さんが人生初めての結婚式の司会をしています。
ピンキーとキラーズ《今陽子》苦渋の選択、芸能人の悲劇
1972年に今陽子さんはソロに転向し『ピンキーとキラーズ』を脱退していました。
その当時、今陽子さんの人気は下降線をたどり、仕事は低迷気味だったようです。
恋愛や結婚はタレントの商品価値を落とすというのが芸能界の一般常識です。それは現代より当時の方がより強かったであろうことは想像に難くありません。
今陽子さんも周囲の人から「結婚したことで仕事が中途半端になっている。家庭か仕事どちらかを取った方がいい」と言われていました。そしてそんな状況の中で、新曲や劇場での公演の仕事の話が来た時「離婚してでもやる気があるのか?」と問われたそうです。
その結果、今陽子さんは結婚継続よりも仕事をとる事を決意し、松川さんに置手紙を残し家を出たそうです。
「達也さんへ。なんだか、こういうことになってしまってごめんなさい。でも本当に楽しく平和な結婚生活でした。達ちゃんはやさしすぎるのです。だから私は悩むのです。そして理解がありすぎるのです。だから私は困ります。
(中略)
しばらくはさわがれるのでたいへんだけど、落ち着いたら、又デートをしたり食事をしようね。だからあんまり悲しまないで仲よく別れましょう。
ヘンな云い方だけど、お互いにこんなに好きなんだから、又人生のチャンスがあるかもしれないし、家へも(どこになるかわからないけど)遊びに来てね。とにかく一人になって達ちゃんが心配です」
デジタル鹿砦社通信2014.11.25『《脱法芸能20》今陽子──『恋の季節』ピンキーの復帰条件は「離婚」』
結局結婚生活は3年8か月で終了となりました。手紙の内容からも察せられるように、二人の関係は決して悪いものではなく、むしろ円満な関係だったようです。
そして離婚後、今陽子さんは恋はしたいけど、もう結婚はしないつもりと語っています。
本当につらい、苦渋の決断だったんでしょうね。
その後恋愛は何度もされたようです。有言実行ですね。
ちなみに今陽子さん、若い頃からイケメン好きで「イケメン会」という会を作って、毎月1回ぐらいのペースで飲み会を開いているそう。男性は20代から40代のイケメン男性たちで、若い男性たちからエキスをもらっているとのこと。
元旦那の松川さんもモデルさんだけあって、相当なイケメンだったようです。面食いの今陽子さんが一目惚れするくらいですから、好みドンピシャだったんでしょうね…。
イケメン好きの今陽子さんの夢は、男性ヒップホップグループのBTSと一緒のステージに立つことです。こういうのワクワク感を大切にすることが若さと元気を保つんでしょうね!
《今陽子》芸能活動の傍ら96歳の母の介護も
現在でも歌手として、女優として幅広く活躍されている今陽子さん。
芸能活動を続けながら、実は90歳を超える高齢のお母様の介護もしてらっしゃいます。
今陽子さんのお母様は2023年2月で96歳を迎えられました。
今陽子さんはずっとお母様と二人暮らしをされていて、掃除、洗濯、料理などの生活に関することや確定申告などの雑務はお母さまが担当されており、今陽子さんの芸能活動を長年支えてこられたそうです。
ところがそんなしっかり者のお母様が90歳を迎えた頃から認知症の症状が…。
オレオレ詐欺にひっかかったり、家のカギをや財布を無くす、ガスの日をつけっぱなしにして忘れてしまう。
認知症特有の症状が目立ち始め、今陽子さんはそのことに悩んでいましたが周囲にはなかなか伝えられなかったようです。
なぜなら今陽子さんにとって「元気で明るいお母様」が自慢だったから。
大好きだったお母様の様子が変わっていくことが、今陽子さんご本人にもなかなか受け入れがたかったのかもしれませんね。
《今陽子》認知症母とのかかわり方が変わった自身の心筋梗塞
なかなかお母様の状況を他人に相談できなかった今陽子さんですが、その後介護経験のあるバンドサポートメンバーの方に相談し「介護認定」について知り、無事ケアマネージャーさんとつながる事ができました。
介護認定を受け、介護サービスを利用できるようになったお母様でしたが、なかなか集団生活になじめずデイサービス利用が必要な日でもデイサービスへ行くことを嫌がってしまう状況だったようです。そのことで今陽子さんとぶつかってしまい今陽子さんは自己嫌悪に陥ってしまう。そんな日々が2年程続いたそう。
そんな辛い認知症介護と芸能生活を続けていたことで体に負担がかかったのか、今陽子さん自身も狭心症を患ってしまいます。
狭心症の薬を服用して過ごしていた今陽子さんですが、2019年9月狭心症の大発作を起こしてカテーテルで心臓の血管を広げる緊急手術を受けています。
この出来事が、今陽子さんのお母様への対応をかえ、認知症による困りごとを解決するきっかけになります。
ところで余談ですが、今陽子さんカテーテル手術の翌日には関西の船上コンサートに出演したとの事。パワフルすぎる…!!
《今陽子》相槌で会話が成立するように!
それまではお母さまと会話する際、自身がイライラしてしまい、きつく返答してしまう事も多かった今陽子さんでしたが、狭心症の大発作からカテーテル手術で生還したことで「自分は生まれ変わったのだ」と感じ、お母様との接し方を見直すきっかけになったとのこと。
今陽子さんは『認知症は接し方で100%変わる!』を参考にし、お母様に怒ることを我慢して会話では相槌を打つようにしたところお母様との会話が続くように!
「たとえば、以前の私だったら、母が『私は何歳才なったのかね?』と言えば、『この間、お誕生会をやったでしょ!』と声を荒げていました。
でも、『お母さんは何才だと思うの?』って、聞き返すことにしたんです。そうすると、『70才くらいかねぇ?』、『お母さんは若く見られるから70才でも通るけど、サバを読んじゃだめでしょう。だって娘が68才なのよ』、『そうかい、もう68才になったのかね』と会話が続くんです。
介護ポストセブン『ピンキーとキラーズ今陽子さん(70才)認知症の母の介護で学んだ「接し方で笑顔は増える」』
接し方を変えたことで会話が続くようになり、穏やかに過ごせるようになったことでお母様に元気が戻り、デイサービスの迎えのバスにも笑顔で乗られるようになりました。
表情も生き生きし、施設のスタッフさんからも「お母様、明るくなられましたね」と報告されるようになったとのこと。
認知症でいろいろ物事が自身の中であいまいになり本人自身も不安になる中、穏やかな会話ができる、心が穏やかな状態を保てるというのは「認知症の困りごと」を改善するための大きなポイントかもしれませんね。
《今陽子》大好きな母、どんな状態になってもそばで見守りたい
「介護には95歳の壁がある」
お母様が95歳になったころから、認知症の症状がまた進んでしまっているそうです。
それまでは今陽子さんの予定を自分用のノートに記し、それを見れば忘れていたことも思い出せていたお母様ですが、95歳をこえた頃から書いたこと自体を忘れてしまうようになってしまったそう。
その他にも今まで今陽子さんが舞台のセリフを覚える為に集中して作業しているときはそれを察することができていたお母様ですが、そういったことも難しくなってきているようです。
今陽子さんが集中しているときに「喉がかわいちゃった」などの声をかけられ、イライラしてつい声を荒げてしまうこともあるそうです。
それでも今でも二人で料理を一緒に作ることもあり、ずっと専業主婦をしていたお母様は玉ねぎの見事なみじん切りなど今でも披露してくれるとのこと。
認知症になってもずっとやり続けてきたことは体が覚えているのですね。
今陽子さんはお母様のことについて
母のことは大好きですから。母がどんな状態になったとしても、ずっとそばで見守っていてあげたいという気持ちがあるんです
と語られています。
ピンキーとキラーズ《今陽子》、大好きな夫との決別と認知症母との生活まとめ
16歳に結成したグループ『ピンキーとキラーズ』でシングル「恋の季節」270万枚を売り上げ、17週連続でオリコン1位となる快挙を成し遂げた今陽子さん。
22歳で一目惚れし結婚した夫、ファッションモデル松川達也さんとは3年8か月で離婚となってしまいましたが、それは『結婚はタレントの商品価値を落とす』という価値観による周りからの圧力であり、自身が「芸能人である」事を選択した結果でした。
現在は96歳を超えたお母様の介護と芸能活動を両立されています。
怒らず相槌をするやり取りで穏やかな時間を過ごせていた今陽子さんとお母様でしたが、現在お母様が95歳を超え認知症はさらにすすんでいるようです。
それでも大好きなお母様をずっと見守りたいと思っている今陽子さん。
老いていく親を見守っていくことは切ないことですが、介護サービスなどを活用し無理をしすぎず、今後も活躍されることを願っています。
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