《ラーズ・ヌートバー》WBC【侍ジャパン】選出日系メジャーリーガー!ヌートバー選手とは一体何者なのか?

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投稿日:2023年1月27日 | 最終更新日:2023年1月29日

日系メジャーリーガーで昨季活躍、侍ジャパンに招集!アメリカ生まれアメリカ育ち、交流した高校球児達に影響を受けたジュニア時代、プロ入り後コロナ禍で1シーズン試合なし。2023WBCで活躍の期待されるヌートバー選手の画像、動画、情報をまとめました。

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「僕の名前はラーズ・ヌートバーです。背番号は21。日本人です。僕は日本を代表してここにいます。」

2023年3月8日~21日に開催される第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)

日本代表の一人として、初の国外で生まれた【侍ジャパン】として招集されたラーズ・ヌートバー選手。

彼は10歳の頃の自己紹介ビデオで「日本を代表してここにいる」と自分を紹介していました。

日系メジャーリーガー!ラーズ・ヌートバー選手 経歴や出身地、特徴は?

ラーズ・ヌートバー選手の基本情報

ポジション外野
投打右投左打
特徴・打撃
長打力と選球眼の良さが魅力。投手の配球を分析するのが得意。
狙い球を絞ってスイングするタイプ。
引っ張り方向への打球が多く、プルヒッターの傾向にある。
・守備
外野の全ポジションをこなす。スピードを生かした広い守備範囲と強肩が魅力

ラーズ・ヌートバー選手のパーソナルデータ

氏名ラーズ・テイラー=タツジ・ヌートバー(Lars Taylor-Tatsuji Nootbaar)
日本名榎田達治
生年月日1997年9月8日
身長190.5cm
体重95.3kg
出身地カリフォルニア州ロサンゼルス郡エルセグンド
所属MLB:セントルイス・カージナルス

ラーズ・ヌートバー選手の経歴

高校エルセグンド高等学校
大学南カリフォルニア大学

ヌートバー選手ってどんな人?父はアメリカ人、母は日本人、3人兄弟の末っ子

ヌートバー選手の父と母の出会いは語学留学!

父のチャーリー (Charlie) さんはオランダ系アメリカ人、母の久美子 (Kumi Enokida) さんは日本人。久美子さんとチャーリーさんの出会いは2人の語学留学がきっかけだったとの事です。

因みにヌートバー選手の日本名は「榎田達治」で、おじいさんの名前にちなんでいるそう。ヌートバー選手はアメリカ生まれのアメリカ育ちですが、幼少期には年に1度、母・久美子さんの実家がある埼玉県を訪れていました

年に一度訪れるおじいちゃんの家や日本はヌートバー選手の心に「自分には日本人の血が流れている」という気持ちを強くさせたのではないでしょうか。

ヌートバー選手、子どもの頃はやんちゃ坊主!スポーツ大好き家族

ヌートバー選手は3人兄弟で兄と姉のいる末っ子です。子供の頃はやんちゃだったとのことですが現在の野球場での姿からもそのままやんちゃ坊主の気配は感じられますね。

お兄さんとヌートバー選手は野球・サッカー・バスケット、お姉さんはバレーボールを主にやっていました。母・久美子さんは中高時代はソフトボール部、父・チャーリーさんも野球を長くやっていたとのことで、スポーツに親しみやすい家庭環境で育っだったことがうかがえますね。

ヌートバー家の生活様式は日本!

ヌートバー家は米国では珍しく自宅玄関で靴を脱ぎ、食事はご飯、みそ汁といった和食が多いとの事。ヌートバー選手自身も、納豆やわさびが好きなようです。

父・チャーリーさんも日本に留学されてたので日本文化に抵抗が少ないこともあるかとは思いますが、お母さんが日本人だと、生活は日本様式になりやすいかもしれないですね。

「納豆やワサビが好き」という情報だけでも、なんとなく日本人として親近感が湧いてしまいます。

こんな日本人として親近感の湧くヌートバー選手ですが残念ながら日本語はうまく話せないとの事。そのため日本代表での活動中は大谷翔平選手(エンゼルス)の通訳をしている水原一平氏がサポートするとのことです。

ヌートバー選手は野球とアメフトの二刀流!プロ野球選手になるも新型コロナによる全試合中止

ヌートバー選手!アメフトと野球の二刀流で大活躍

ヌートバー選手が野球を始めたのは5歳ごろです。父・チャーリーさんが野球をしていたことやお兄さんがいた事は影響しているのでしょうね。

そしてハイスクール時代は野球と並行して、アメフトのクオーターバック(QB)としても活躍していたようです。

大学時代から身体能力は抜きんでており高校では野球とアメフト、二刀流のスター!

野球では3度リーグMVPにアメフトではQBとして2度リーグMVPに選出されたこともあったそうです。

ヌートバー選手!プロ野球選手に

プロ野球選手としては2018年ドラフト8巡目指名で南カリフォルニア大からカージナルスに入団しました。

しかしマイナーリーグで活動中だった2020年、新型コロナウイルスのパンデミックに伴いマイナーリーグの2020年シーズンは全試合中止となってしまいました。
 
シーズン休止中やることがなくなってしまいましたが、母・久美子さんはヌートバー選手が家でゴロゴロしているのは良くないと感じ、働くことを提案します。

その結果ヌートバー選手は近所の航空宇宙会社の仕事を紹介してもらい、時給20ドル、週6日、朝4時起きで、機械工の肉体労働をしていたそうです。

その年の9月からはさらに大学の授業も受講し、仕事と学業、そして野球選手としてのワークアウトの3つをこなした時期も!

しかしこの野球から離れていた期間が「野球をやりたい」という思いを強くすることになりました。

そして2021年6月に念願のメジャーデビューを果たします。


21年シーズンは58試合出場でしたが、2年目の22年シーズンは108試合に出場し2割2分8厘、14本塁打、40打点の成績を残します。特に後半には10本塁打、41四球で長打力と優れた選球眼を見せつけました。

そして守備では外野全てを守る事が可能で、強肩も売りであることを証明しました。

ヌートバー選手!観客からの掛け声は「ヌーーーーーーーート!!!」

明るい好青年というキャラクターでファンからも愛されているヌートバー選手。

打席に入る際や好プレー時には「ヌーーーート!!」と呼ばれているようです。

ヌートバー選手が好プレーした時の動画にはアナウンサーの「ヌーーーーーーート!!!」の声が響き渡っていました。

ヌートバー選手日本代表への強い思い

ヌートバー選手が9歳だった2006年は田中将大選手と斎藤佑樹選手が甲子園決勝で投げ合い、高校球史に残る熱戦を2日間にわたって繰り広げた年でした。

その大会後、全国から編成された高校日本代表が米国遠征をします。その時ヌートバー家が斎藤佑樹投手とチームメイトだった早稲田実業の船橋悠さんと帝京高校の塩澤佑太さんのホストファミリーになりました。

ヌートバー選手の母久美子さんは雑誌のインタビューで、船橋さんと塩澤さんは当時9歳だったヌートバー選手をとてもかわいがってくれたと話しています。

チーム内でも“野球大好き少年”がいると知られていったみたいで、練習に来なよと誘われて。代表の子たち全員、気さくで明るくて、ラーズに親切にしてくれました。お別れのときは案の定、ラーズ号泣……。「また来てね」「優しくしてくれてありがとう」ってガン泣きでした(笑)。

代表の選手達にかわいがられたヌートバー選手はその後“日本の球児”の影響をもろに受けていたそう。その当時、日本の高校球児がしていたという「野球帽のツバを丸く折る」というのをマネて野球帽のツバが丸くなっていた、なんてこともあったそうです。

そして日本代表が帰国した翌年、10歳だったヌートバー選手はリトルリーグのオールスターチームに選ばれます。10歳のヌートバー少年はその時の自己紹介ムービーで「こんにちは」と日本語で挨拶したのち、続けて自分をこう紹介したのです。

‘My name is Lars Nootbaar, No.21. And I’m a Japanese’.
僕の名前はラーズ・ヌートバーです。背番号は21。日本人です。
‘I’m representing my country for Japan’.
僕は日本を代表してここにいます。

もうこの頃からヌートバー選手の心の中に、自分は「日本の代表」という気持ちが芽生えていたのですね。

そしてその気持ちを芽生えさせたのは、ごく間近で触れ合う事のできた当時日本代表としてアメリカ遠征をした高校球児達の姿であった事は間違いないのでしょう。

今でも船橋さんと久美子さんは交流があるようです。

船橋さんから当時の高校代表選手達に「ヌートバー選手が日本代表になるかもしれない」と連絡した際にみんな「覚えてる、覚えてる!」と言ってくれていたという事があったようで、母久美子さんは格別に嬉しかったとインタビューで話していました。

国外で生まれた(侍ジャパン)第1号選手ヌートバー選手情報まとめ

WBC日本代表、侍ジャパンに招集されたメジャーリーガー、ラーズ・ヌートバー選手。

長打力があり、選球眼もよく、守備は外野全てに対応可能で、強肩の持ち主です。

メジャーリーグには2021年から出場していますが、本格的にその才能が花開いたのは2022年のシーズンから。

ヌートバー選手の「日本の代表」への思いは、少年時代にホストファミリーとして受け入れた日本代表の高校球児との出会いと交流によって培われたものでした。

アメリカで生まれアメリカで育ったにもかかわらず、自分の中に流れる日本人というルーツに対して深い愛着をもっているヌートバー選手。日本代表として、侍ジャパンの看板を背負って思い切りプレーする姿を見るのが楽しみです。

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