ゆりやんレトリィバァさんが緊急入院。脳損傷！？硬膜下血腫！？硬膜外血腫！？どんなケガ！？後遺症は！？回復するのか！？予後は！？頭部外傷に伴う頭蓋内血腫について調べてみました
ゆりやんレトリィバァ 脳損傷！？
初主演ドラマ撮影中
2022年10月27日未明、お笑い芸人のゆりやんレトリィバァ（31）さんが緊急入院したとの報道がなされた。原因はゆりやんレトリィバァさん初主演作となるNetflixのドラマシリーズ『極悪女王』の撮影。『極悪女王』は1980年代カリスマ悪役レスラーとして人気をはくした「ダンプ松本」さんを題材にしたドラマシリーズ。企画・脚本・プロデュースは鈴木おさむ氏、監督は白石和彌氏が務める。
『極悪女王』の撮影の為、ゆりやんレトリィバァさんは一度ダイエットに成功し65㎏まで落とした体重を93㎏まで増量し役作りしていた。
10月21日に千葉の体育館で行われていた撮影では、ゆりやんレトリィバァさんの入団テストシーンで頭から落ちる動きを100回以上繰り返したとのこと。
ゆりやんレトリィバァさんはこの時すでに頭痛を感じていたとのことだが、そのままそれを訴えることなく撮影を続行。しかし後日、我慢できない程の頭痛を感じ病院を受診したたところ、脳の損傷があり、少なくとも1週間の入院が必要との診断が下った。
頭の打撲により頭痛や脳損傷を起こしうるケガ
硬膜外血腫と硬膜下血腫
頭を打撲することで頭蓋骨周辺の脳側に出血がおきる場合、出血した場所によって硬膜外出血と硬膜下出血に分かれる。出血が塊になっている状態を血腫という。
硬膜外血腫、硬膜下血腫どちらも血の塊が脳を圧迫することで頭痛や意識障害が起こる。
硬膜外血腫って？
図1のように頭蓋骨の内側に張り付いている膜（硬膜）と頭蓋骨の間に出血するのが硬膜外血腫である。
原因は頭をぶつけたことで起こる頭蓋骨の骨折であり、折れた骨自体からの出血や骨折により傷ついた硬膜の血管からの出血が、硬膜を頭蓋骨から剝がしながら広がり血の塊を作る。
出血が少なく、脳を圧迫するなどがなければ意識障害は生じないが、出血量が増え脳を圧迫するなどの状態になると、数時間後には意識がなくなっている場合もある。
硬膜外血腫の場合は袋に包まれた血の塊が脳を圧迫することで症状がでるので脳自体はダメージを受けていない。しかし合併して硬膜下血腫や脳の損傷が起きている場合も3割ほどあると言われているようだ。
硬膜下血腫って？
図2のように頭蓋骨の内側に張り付いた硬膜と脳の表面に張り付いている「くも膜」の間で出血するのが硬膜下血種だ。硬膜外血腫と違い脳の表面を這うように出血が広がっていく。
原因は頭をぶつけたことにより発生した脳の損傷や脳の表面の血管の損傷からの出血で、受傷すぐに意識障害や運動が出る場合もあれば、直後は意識清明でも出血が増えるにしたがい症状が急速に進行する場合もある。
治療法は？
硬膜外血腫も硬膜下血腫も出血量や、神経症状の程度によって手術するかどうかが検討される。出血量が少なく症状が軽微な場合は経過観察となる。手術をしなかった場合でも時間がたてば出血は自然に吸収さ消失していくことが期待できる。
頭痛や吐き気や意識障害などの症状が進行してしまったり出血量が増え続ける場合は緊急手術となる。
一般的に硬膜外血腫は適切な時期に手術を行うことができれば予後は悪くない場合が多い
硬膜下血腫には急性と慢性があり、頭を打撲したあと短い時間で症状が進行するものが急性硬膜下血腫だ。
急性硬膜下血腫の場合、頭の骨を大きく外して血腫を取り除く手術が一般的なようだ。残念ながら急性硬膜下血腫の場合、手術をしても死亡率が40％～60％と高く、救命できたとしても重い後遺症を残すことが多くみられるとの事。
手術をせず経過した場合でも、3週間後以降に『慢性硬膜下血腫』に移行する場合がある。
慢性硬膜下血腫の場合、やはり症状が明らかにある場合は手術適用となるが、頭蓋骨に小さな穴を空けそこから血腫を吸い出す方法で行えるようだ。慢性硬膜下血腫の場合、多くが手術後に速やかに症状改善するとの事。
おわりに
今回ゆりやんレトリィバァさんの場合は手術をしたとの情報はなく、ゆりやんレトリィバァさん自身からの情報発信もあり、今のところは経過観察の為の入院である事がうかがわれる。
実際のところ、ゆりやんレトリィバァさんの脳損傷というものがどういったものであるかの具体的な情報はなく硬膜外血腫も硬膜下血腫も「頭を打撲した場合に起こりうる頭部外傷の可能性のひとつ」でしかない。
ゆりやんレトリィバァさんにはこのまま順調に回復されることを期待したい。そして、テレビ業界は刺激を提供する為の重傷、命に係わるケガを誘発するような過激な演出等についてきちんと検証し再発防止に努めてほしい。
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